2017/06/30

アズレージョにかこまれて


旅のふりかえりシリーズ第2弾。
ポルトガルのリスボンから電車で1時間ほどの街、シントラ。色彩豊かなペーナ宮殿などの世界遺産で知られています。

まずシントラの駅に降り立って目にとまったのは、待合室の壁いっぱいに貼られていたタイル。ポルトガルでは、アズレージョ(ポルトガルで言うタイルのこと)を組み合わせて大きな一つの絵を作り上げているのをよく見ます。あふれる花々や、神話に出てくるような天使たち…ちょっとくすんだような色がまたきれい。
この出窓の向こうには実は駅員さんがいるのですけど、おばあちゃんと天使が話しているような構図にしてみました。

2017/06/20

CRANE BAR


旅のふりかえりシリーズ第1弾。
アイルランド西部の街、ゴールウェイから。

真っ暗な夜の街をぶらぶら歩いて、とあるアイリッシュバーに足を踏み入れた。ここで演奏されているのは、伝統的なアイリッシュ音楽。アコーディオン、バイオリンとで奏でられる軽快な音楽に酔いしれていると、あれ、ギターの人が遅れてやってきた。後ろからマンドリンの人も。奏者は2人でなく4人だったのね。調子どう?という感じで、いたって自由な雰囲気。みな楽譜を見ることもなく、リズムが続いていく。

場があたたまったところで、奏者から「誰か、ここに歌える人はいない?歌ってくれた曲をアレンジして演奏するよ。」との提案があった。ドキドキしながら座っていると、バーカウンターにいる20代の女の子がすっと手を挙げた。『Jug of punch』なら歌えるわと言って、独唱してくれる(※1950年代にアイルランドでリリースされた曲らしい)。大勢の観客が静まりかえる中、かわいらしい声を気持ちよさそうに響かせる。かっこいい。
彼女に続いて、髪を後ろに結いた中年男性も独唱しはじめた。アイルランド民謡なのだろうか、思わず草原と羊たちを連想してしまうような素朴な歌を、同じフレーズを1番から5番くらいまで朗々と歌い上げる。こちらもとっても素敵だ。

彼らの歌をうけて、再び楽器奏者たちが楽しい演奏をはじめたのだけど、なぜだか、この静かな歌の時間の方がより強く印象に残っている。
音楽を聞き、歌うことを、心の底から愛しているんだろうと伝わってきたからかな。
帰り道、他のにぎやかなアイリッシュバーの窓からは、お酒を手にして赤ら顔で合唱する人たちが見えた。これもまた正しい音楽の愛し方。

2017/06/15

ホタルさがし


水音のする方へ近づいて、彼らの姿をさがした。
あれかな?
いやいや、あれは光を受けた葉っぱだよ。

向こうで、ぽつ、ぽつと黄緑色の光が灯った。
「あ!」思わず時間がとまる。
消えてしまうと思ったら再び瞬き、ひらひらと浮遊しはじめた。

なんと儚くて美しいんだろう。
でも、ホタルの季節ももうすぐおしまい。
梅雨が明けたら夏がやってくる。


イラストレーションのコンペに向けて、目下制作中。。
昔描いたものを掘り出してきました。夜の虫。

2017/06/09

ムナーリのお弟子さん


NHKで放送されていた「奇跡のレッスン」をみた。
イタリアからはるばるやってきたブルーノ・ムナーリのお弟子さんだという女性が、日本のお絵かき教室の子どもたちに1週間レッスンするというもの。
この方が、とにかく可愛くて魅力的で!歩いている途中に、花の香りにつられて足をとめてみたり、あの木の枝は建物と会話しているみたいねぇとうっとりしたり、全然目的地にたどりつけない。笑
でも、言葉の壁をもろともせずに、子供たちと一緒につくり、ともに発見していく様子は素晴らしかった。子どもたちの目が、日を追うごとにキラキラしていくのがよく分かって。「気づき」を与えて、うまく導いてあげられるパワーを持ってた。

数年前、ムナーリの展覧会に足を運んだはずなのに、絵本などの成果物にしか目を留めていなかったなと反省…。どんな考えを持っていたんだろうと関心持ったので、これから著作を読んでみるつもり。

写真は、本文と全く関係ないけど、イギリスのケンブリッジにあったファーマーズストア。
形はふぞろいでも美味しそうな野菜や果物がたくさん並んでいたな。